言葉の力でマインドセット



From: リー・ミルティア

(メアリー・ショアーズへのインタビューより)

メアリーはアメリカで最もユニークな債権回収会社の1つ、ミッドステート・コレクション・ソリューションの経営者であり創設者です。その会社は前向なコミュニケーション、誠実、責任をモットーとしていますが、そういったことはほかの債権回収会社ではあまり見られないことです。

メアリーは革新的思想のリーダーです。10年以上も企業や個人に、人をヤル気にさせる方法や新しい考え方を生み出す方法を教え、目標を明確にして行動を起こし、意義ある結果を出すのを助けてきました。

彼女は画期的なコンシャス・コミュニケーション・システムを開発しました。

私がメアリーにインタビューしようと思ったのはそのためです。彼女はスタッフや顧客や患者とコミュニケーションを取る方法を考案して、それが彼女の人生で非常に役立ってきました。今日のインタビューでその知識をいくつか教えてくださいます。


メアリーとスタッフは借金の返済が遅れている人に対応していますが、メアリーの意図を聞いて私は衝撃を受けました。彼女はこう言いました。

「私のオフィスのビジネスのモットーであり目標は、電話をかけてきた人が、電話が終わる頃にはかけてきた時より幸せな気分になっていることです。脅かして借金を返済させるのではなく、返済者が話を聞いてもらったと感じて良い気分になってもらうことです。」

何て新しい考え方でしょうか。悲しいことに私達は皆、難しい電話をかけなければならないことがあります。皆さんや皆さんの「チーム」がこの新しいマインドセットと方法を身につけて、電話をかけたりビジネスの台本を書いたりしたらどうでしょうか?


メアリーは言います。「コンシャス・コミュニケーションの神髄はそのシンプルさにあります。ネガティブな言葉を排除して、自分の願望に焦点を合わせて効果的な言葉を使うことです。

まずは基本原則から始めましょう。ネガティブな言葉を使ってはいけません。“言ってはいけない言葉”のリストがあります。たとえば、“いいえ”“してはいけない”“できない”“ダメだろう”“でも”“あいにく”といったような言葉です。

そういった言葉を使わずに、『すぐに確認させていただきます』『大丈夫ですよ。この件であなたのお役に立てるよう努力します』といった言葉を使います。できないことを言うのではなく、できることを常に言ってください。


日々の生活の中でこれは実践的でないと思うかもしれませんが、私は敢えて言います。言葉を変えれば日々のビジネスの結果を変えることができます。人々との信頼の基盤を築くことができます。これは今までのビジネスではなかったことです。」

ほとんどの企業家が朝起きて一番に考えることは、「今日はどうやって利益を上げようか?」ということです。皆大所帯を背負っているからです。スタッフに給料を払わなければなりません。

企業家は皆の提供者なのであらゆるリスクを取らなければなりません。皆さんと皆さんの「チーム」は、人とのコミュニケーションの仕方に強い意識を持つべきです。

クライアントや顧客や患者をより幸せにするメアリーのやり方は シンプルで実践が簡単「使うべき言葉」のリストを書いて、「チーム」のメンバーを含めたオフィスのスタッフ全員が毎日目にする場所にそれを貼ってください。顧客対応の台本を一新してください。


#コンシャス・コミュニケーションの3つのルール


1. 確認―顧客が今何を言ったのかを少し時間をかけて意識的に確認する

そうすれば顧客は自分の言っていることに耳を傾けてくれていると感じる。聞いてくれていないと感じると、顧客は自分の言ったことを何度も繰り返すことになり、お互いのイライラが募っていく。

2. 幸せの種を蒔くこと―できないことを言うのではなく、できることを言う。

3. アクションステートメントを使う―相手のために何ができるか。


例:単純にこう言ってください。「リー、保証します。あなたの置かれた状況はよく分かります。これを解決するために私はできるだけのことをするつもりです。トラブルチケットに内容を記載して、調査を開始します。」

それは「すみませんが、なぜそうなったのか分かりません。折り返し誰かに連絡させます。私にはどう解決したらよいのか分かりません」と言われるよりずっとマシです。


そんなことを言ったら状況はたちまち険悪になります。「なぜそうなったのか分かりません」と言ったら、顧客に何の話をしているかが分かっていないと思われるでしょう。」

あなたが顧客だったとしたら、「なぜそんなことになったのか調べるべきじゃないの?」と思うでしょう。そんな時私達なら「大丈夫です」と言います。それは先ほどとは正反対の言葉です。「大丈夫です。それを解決して先に進む方法を見つけます」と言います。


「あなたのために何かできることはありますか?」というのも素晴らしい言葉です。それは「どこそこの部署に連絡してその問題をトップに伝えます。その状況で最善の対応策を講じます」という意味だからです。

「この件につきましてはもっとご説明したいのは山々ですが、結果が分かり次第折り返しご連絡いたします。」そうすれば、怒りにまかせて後で業界で悪口を言いふらすかもしれない人を、十分気にかけてもらっているという気にさせることができます。


おそらくその電話では奇跡的な解決なんて望めないでしょうが、少なくとも相手は自分の言うことを聞いてもらえたと感じます。今の世の中では自分の言葉に耳を傾けてもらえると感じることなんて滅多にありません。

あらゆるコミュニケーションにおける真実:顧客サービスや請求・回収業務はもちろん、子どもや友人や近所の人との個人的な関係などあらゆる人間関係において、あなたが言うことなすことのすべてが、口から出る言葉のすべてが、つながりを創り出すか、つながりが切れる道に向かうかのどちらかです。

どんな言葉を使うかに意識的にならなければなりません。

-リー・ミルティア

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