人をあっと言わせる要素
From:リー・ミルティア
もし世の中に可能な限り最も深い細部にまで注意を払うような場所があるとしたら、それはディズニーという組織であるのは間違いありません。ディズニーが発信しているメッセージは「ディズニーは夢が現実になる所だ」です。
次の4本のレポートを読めば、皆さんのビジネスを「ディズニー化」するための魔法の鍵の秘密が分かります。(これらのレポートは皆さんのビジネスでの使用に“限定”という条件でヴァンス・モリスに転載の許可を得ています。)
以下はヴァンスの本からの抜粋です。顧客やクライアントや患者を幸せにする魔法を創り出す方法について記載されており、皆さんの“チーム”と一緒に取り組む価値あるものです。また「人をあっと言わせる要素」を取り入れれば顧客ベースの拡大にもつながります!
一般的にビジネスの世界では“魔法”という言葉を耳にすることはありません。(もちろんマジシャンなら別ですが。)“魔法”という言葉はバランスシートには載っていません。会計士は“魔法”に対するROI(投資利益率)なんて計算できませんし、魔法の20年の減価償却費なんて分かるはずがありません。
ではディズニー・カンパニーはどうやって数十億ドル(数千億円)規模の巨大なグローバル企業になったのでしょうか?“魔法”をどう使って巨額のお金を生み出したのでしょうか?その答えは後ほど。
「ディズニー・バケーションの魔法」とか「ディズニー体験」といった言葉をよく耳にしたり(実際に言ったり)します。ディズニー・カンパニーの前CEO、マイケル・アイズナーはそれをこう要約しています。
「私にとってディズニー・バケーションの魔法は、品質と革新と美の魔法です。ディズニーにやって来る家族とキャスト(ディズニーでは従業員のこと)にかけられる魔法です。それらすべてが混然一体となった魔法です。」
“魔法”なんてない?
「全世界の観客は私達が高品質のエンターテイメントを生み出して、観客にディズニーの魔法をかけてくれることを期待しています」
マイケル・アイズナー
魔法なんてないことは誰もが知っています。あるのはイリュージョンだけです。マジックショーは観客にとって驚きと喜びに満ちた驚異の場所でなければなりません。トリックやイリュージョンをどうやったのだろうと考えることもマジックショーの楽しみの一部です。
ですがマジシャンがショーをするにあたっての考え方はそれとは正反対です。マジックショーは高度にシステム化されたイベントです。特定の結果――観客の喜びと驚き――を得るために“再現可能な”ステップを積み上げて構築されたものです。
先ほどの質問の答えは…
ディズニーの魔法はすべて計算尽くの実用的なものです。夢を壊したくはないのですが、世間で思われているような伝説とは違って、ディズニーは妖精の粉を作る鉱山なんか持っていません。
それを出勤前に必ずキャストにふりかけるなんてもってのほかです。ディズニーにはショーをするための“再現可能な”反復できるシステムがあるだけです。
練習
改善
また練習。それの繰り返しです。
それから実演です。リゾートのレストランやパークのアトラクションやバスが通るルートなど、ディズニーで起こるすべての魔法は再現可能で反復できる“練習を積んだ”システムなのです。
魔法の鍵#1:人をあっと言わせる要素
「人をあっと言わせる要素」というのは、再現可能で持続的にクライアントやゲストの期待に応えるだけでなく、その期待を超えなければなりません。クライアントを時々「あっと言わせる」ような会社はたくさんあります。
たまに「期待以上の」経験があります。飛行機の座席を無料でランクアップしてくれたり、サンデーにホイップクリームをおまけしてくれたりして、従業員は不幸なクライアントを幸せにしようとできるだけのことをします。
ビジネスを“ディズニー化”するには、通常の作業標準に対するクライアントの期待を超えなければなりません。クライアントの期待を常に超えるには、独断的で厳しい不屈の精神を持って目標を追求しなければなりません。
クライアントの経験を分析し(会社ではなくクライアントの視点から)、クライアントの傾向(ニーズ、欲求、ステレオタイプ、感情)を理解し、ビジネスのあらゆる部分(プロセス、インフラ、構築、訓練)にそれを活かして魔法の経験を創り上げます。
「忘れ去られる」というのは、「注意を払っていないと物事が改善しないばかりか悪化する」という意味だということを心に留めておいてください。常に改善し続けないとすぐに収入が減ります!
-リー・ミルティア