富とお金 2018/11/28

ポジショニングの誤解



リッチ・シェフレン

ナビゲーターの中谷です。


先日、新宿の地下道を歩いていると「中谷さん!」と声を掛けられました、振り向くと、食後なのか爪楊枝を口にくわえた家族連れのヒゲのお兄さんが・・・どなたですか・・・?リッチのナビゲーターしている中谷さんですよね?と。おーリッチも浸透して来ているなーと思って、握手をしながら初対面前提でご挨拶させて頂いたんですが、後で考えてたんですが、もしかしたらセミナーとかでお会いしている人かもという恐怖心が出て来ました(笑)これを見ていたらFacebookでお声がけしてくださいね。。。  


この方の場合は違いましたが、こうしてリッチのナビゲーターをさせて頂いていると、色々な専門家の人たちから声をかけられる機会が多くあります。「何々の専門家です」みたいなことを言われるのですが、よくわからない専門のことを名乗られるせいで「ただ専門家って言えばええわけちゃうねんけどな・・・」と苦笑いせざるを得ない人も居てたりします。

そういう時に伝えたいと思うことが実はあって、ポジショニングっていうのは、、、


コミュニケーション理論である


ポジショニングに関してはマイケル・ポーターであったりフィリップ・コトラーであったり、他にも色んな人たちが論じてるとは思うのですが、今回はアル・ライズとジャック・トラウトの共著「ポジショニング戦略」からの一文をご紹介したいと思います。


「本書のテーマである「ポジショニング」とは、これまでになかったコミュニケーション理論である。しかも、広告という最も難易度の高い世界を中心に扱っている。」


これ、本のほんとに最初の方で結構重要なことを言ってると思うのですが、ほとんどの人がこの情報を上手く消化できてないのではと思います。

彼らに言わせるとポジショニングっていうのは、「広告の世界を中心にしたコミュニケーション理論」とのこと。。


コミュニケーションを短縮する


確かに、リッチが言うように業界の隙間であるニッチを攻めたり、あるいはすでにあるニッチを更に細分化するようなサブニッチを攻めるというのは、ポジショニングを確立する方法としては有効かもしれない。これは既存の業界でナンバー1になることができないのであれば、オンリー1の業界を作ることによって、結果的にそこでナンバー1になってしまえば良いじゃないかという考え方です。どちらかというと、ブルーオーシャン戦略という理論に近い考え方ですね。

だけど、そのやり方を選んだばっかりに、わけのわからない専門家を名乗ることになって、結果としてわけのわからない存在として誰も相手にしてくれなかったら意味がない(笑)

そこで出てくるのがアル・ライズとジャック・トラウトのポジショニング戦略の話で、ポジショニングをコミュニケーション理論として考えるということです。つまり、彼らの話を要約すると、ポジショニングというのはセールスにおいて自社の説明を不要にすることで、コミュニケーションを短縮するってことを実現することです。


3秒でプレゼンができる


コミュニケーションを短縮するという視点で見た時、ただ専門家であると自称するだけではポジショニングが明確になったとは言えないということがわかると思います。なぜなら、たとえ専門家であると言ったとしても、相手が納得してくれるかどうかは別問題だからです。「◯◯の専門家です」と伝えたのに、相手が(???)となって、その後に色々と説明をしないといけないようなら、それはポジショニングが明確になってるとは言えません。


逆に、上手くポジショニングができている例を他で挙げるとすると・・・

「皇室御用達の高級ビニール傘」とかは分かりやすい。実際にコミュニケーションが短縮されるという意味が伝わるんじゃないかと思います。もはや説明は不要(笑)あーだのこーだの言わなくても、この傘が良いものであることはわかりますし、どんなポジションの存在であるかも一瞬で伝わってきます。こんな感じで、明確にポジショニングができていると、たった3秒で自社をプレゼンをすることも可能です。


消費者の頭の中のイメージと結びつける


アル・ライズとジャック・トラウトのポジショニング戦略では、こうも書かれています。


「ポジショニングの基本手法は、「消費者の頭の中に既にあるイメージを操作し、それを商品に結びつける」というものだ。誰の頭にもない新奇なイメージをつくりだすことではない。」


◯◯専門家と言っている人たちの多くは、ニッチあるいはサブニッチを目指すあまり、誰の頭にもない新奇なイメージを作り出してしまっています。もしくは既にあるイメージを使っていたとしても、そのイメージが有効に働いていない場合が多いです。◯◯と聞いて「それ良さそうですね!」とならないようであれば、結局説明が必要になってくるので、それじゃアカンやんって話です。


だからもし、あなたが自分のポジショニングだと信じているものが、コミュニケーションの短縮を果たしていないようなら、、、それは本当の意味でのポジショニングとは言えないかもしれません。

その場合は今一度、ポジショニングを見直してみることをおすすめします。。。



P.S.もちろんあなたのターゲットとなる人たちが分かればいいのですが。。。

そうもなってないのが現状かと



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