戦略 2018/10/17

幻滅期を乗り越えよう



リッチ・シェフレン

ナビゲーターの中谷です。


先日、プライベートで予定があったのですが、突然のキャンセルで時間ができた、、、こういう時間ってなんか得した気分になるのは僕だけでしょうか(笑)ポカポカ陽気の日だったのでコーヒーを飲みながら本を読むことにしたんですが、その本にハイプ・サイクルの話が出てきたので今日はそのお話。。。

ハイプサイクルというのは、テクノロジーの普及度合いやトレンドの遷移を示す米ガートナー社が考案した独自のグラフです。普及のプロセスを、黎明期、過剰な期待のピーク期、幻滅期、啓蒙活動期、生産性の安定期の5段階に分けてグラフに表します。

ガートナー ジャパンが10月11日、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」を発表したこともあって、ちょっと考えてみたことがあります。

ハイプ・サイクル



 図:日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年(出典:ガートナー社)


Wikipediaによると

1995年以来、ガートナー社はハイプ・サイクルを用いて、新技術の登場によって生じる過度の興奮や誇張(hype、ハイプ)、そしてそれに続く失望を説明している。それはまた、技術がいかにしてそしていつ次の段階に進み、実際に利益を生み出し、そして広範に受け入れられるか、も示す。ガートナー社の唱えるハイプ・サイクルの目的は、現実から誇張(ハイプ)を切り離すことにより、CIOやCEOが特定技術の採用可否を判断できるようにすることである。

ということらしい。。。

過度な期待のピーク期


自分でWikipedia引用しておいてですが、理解しにくいですね(笑)なのでややこしい事は置いといて、「ブロックチェーン」で説明すると分かりやすいかな。。。仮想通貨とか暗号通貨と言われるものに使われている技術で、ちょうど過剰な期待のピーク期の頂点を過ぎたところにあります。金融業界ではフィンテックなんて言葉と共に、このブロックチェーンという言葉も多く使われている、、、


実際に僕たちもニュースで、この言葉やあるいは技術の存在を聞かされていて、暗号通貨が盗まれたというような話題と一緒に耳にしています。そのおかげで、当初の爆発的な話題性に陰りも見えていて、一部では「はいはい。怪しげなアレね。」というような扱いになってきていますね(笑)現実として、自分たちにどれだけ影響しているのか理解していないので大したことないと感じているのか、まさに幻滅期に向かっている感がありますね。。。恐らく、企業でも技術的に手を付けたはいいけど、思ってたほど良い反響も得られなくて扱いきれない、みたいなところも多いはずです。


幻滅期


幻滅期でわかりやすそうなのは、ウェアラブル・デバイスかなと。身につけるタイプのデジタル機器で、特にアップルウォッチなんかが代表じゃないかと。ただ、、、時計がネットに繋がるからといって「だから何なん?」みたいな感じになってませんか?(笑)使ってる人からしたら、「コンビニで財布なくても支払いできるし」とか「電車にコレで乗れるから便利なんすよ」とか「電話もできます」みたいな話なんでしょうけど、、、「いや、だから何なん?」と。無くてもやっていけるし、「それスマホで良くない?」みたいな話になるのがオチです。。。って、ガラケーをいまだに使っている僕が言うな、という話かもしれませんが(笑)

っていう反響を反映して、企業の方も思ったほど良い手応えはつかめてないんじゃないかと思います。


他にも一時期話題になったGoogleグラスみたいなやつ。メガネ型のウェアラブルデバイスですが、とんと聞かなくなりましたね。。。まさに企業の動きも鈍くなる幻滅期ってことなんでしょう。でも、恐らくこの数年あるいは10年ぐらいで、ウェアラブル・デバイスが当たり前になる時代がくると思います。家とか車とかの解錠とか、あるいは生体認証みたいなものも、ウェアラブルデバイスを介して行われるようになっていくんじゃないですか?たぶん、ナビとか情報の閲覧もメガネ型のウェアラブル・デバイスとか、もしかしたらコンタクトレンズ型のものなんかが一般化されるかもしれません。


チャンス追求型の傾向


で、このハイプ・サイクルを見て、僕はこの過度な期待というのと幻滅というのは、個人の人間の心理も同じなんだろうなぁと感じました。つまり、チャンス追求型の人というのは、何かしらの話題になっているチャンスを見つけては、過度な期待を抱いて、その後に幻滅するというサイクルに陥っているんじゃないかと。この図と同じように、今話題になっているテクノロジーとかに関連するものに飛びついて、この図と同じように幻滅する。。。そして、また新しいものに過度な期待を抱いて・・・。と、そんなプロセスを長い間続けてしまっているんじゃないかと思います。


幻滅期を乗り越えよう


ここでポイントになるのが、幻滅期を乗り越えて啓蒙活動期に入れるかどうかです。まぁ、個人の感覚で考えるとしたら、幻滅したとしても、それでも情報を手に入れて突き進めるか、、、というところ。

例えば、セールスコピーというものに対して、知った時には過度な期待を抱くのが普通ですが、そこでセールスコピーも魔法じゃないんだと知ることになる。ものすごく緻密にやらなきゃいけないこともあるんだと、簡単じゃないんだと理解して、その結果幻滅します(笑)で、そこからが上手くいく人といかない人の分岐で、コツコツとセールスコピーの勉強やテストに励むかどうか。そこを抜けると、安定的に成果を出すことができるようになる、、、ただ、ここまで言って何を当たり前のことを言ってるんだみたいな気持ちにもなってきましたが。。。(笑)

ただ、この過度な期待のピーク期と幻滅期が市場にはあって、それは個人にとっても同じなんだと知っておくことが、重要なんじゃないかと思います。


顧客も同じ


チャンス追求型の話をしましたが、それはあなたの顧客も同じだということを忘れちゃいけない。要するに、あなたの顧客だって過度な期待を抱いて商品を購入するかもしれないし、幻滅だってするかもしれないってことです。

だからこそ、セールスコピーを書く時には過度な期待を持たせないように、煽った文章を書くべきではないし、商品の購入後は幻滅しないようにフォローをしっかりとしなくちゃいけないわけです。リピーターになってもらって、LTVを上げるためにも、この過度な期待と幻滅のポイントを上手くクリアしなくちゃいけませんね。



P.S.女子高生の女の子が付き合う前の幻想と、付き合ってからの彼氏のイメージがちがーう!!ってなってすぐに別れてしまうというのも同じサイクルですね。。。本当は素敵な人かもしれないのに自分の幻想に負けてしまう。こんなことを繰り返してはいけないですね。


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