靖国参拝の是非
中国参り
耐える試練がまた中国からやってきた。
2002年4月29日、公明党代表の神崎武法議員が北京を訪問し、江沢民国家主席・共産党総書記と会談した時、江は小泉純一郎首相が靖国神社に参拝(4月21日)したことについて、「私は小泉首相の靖国参拝を絶対に許すことはできない」と断言した。
神崎は「公明党としては首相の靖国神社参拝には反対している」とご機嫌をとり、保身に逃げた(江は、2003年3月に国家主席から退任したが、軍事を牛耳る絶大な権力を保持している)。
中国の「絶対に許すことはできない」をアメリカの過去に譬えると、ベトナム政府がワシントンに建てられているベトナム戦争記念碑、年間100万人が参拝する米国の神社に、米国民と大統領が参拝することを絶対に許すことはできないと発言しているのと同じである。全米が激怒し、ベトナムが平に平にと陳謝するまで、徹底的な経済封鎖を実行するであろう。もちろん、ベトナムはそのような不敬な言葉を吐く国ではない。
墓参りの意味
祖国日本のために戦い死んでゆかれた人たちの墓へ、日本の首相が敬意と追悼の気持ちを伝える墓参りに、他国が口を挟む余地はない。靖国神社は、明治維新を決定的にした戊辰戦争で倒れた人たちを祀るために、明治天皇が1869年に建てられた。その後、外国との戦争で亡くなった日本人戦没者の冥福を祈るための象徴的な墓地になっている。アメリカのホワイト・ハウスの近郊にある神聖なアーリントン国立墓地と同格だ。米政府は日本の首相が靖国神社へ何度参拝しようが、一言も文句を言わない。当然だと思っているからだ。
日本の首相が靖国神社へ参ることは、中国が「許す」「許さない」の次元ではない。中国にお伺いを立てて、お許しを得て、墓参りをする必要はない。日本は誰にも許してもらわなくてもよい。
日本人の墓参りは、先祖・墓・家族の絆を大切にする精神伝統文化である。中国も墓参りを重要な儀式としているので、この日本の精神文化がよく分かっている。分かっているから、日本の文化基盤を壊そうと企んでいるのだろう。
中韓による日本批判
中国の独裁者は、日本精神文化への攻撃を続ける。
2002年6月25日、鳩山由紀夫民主党首が北京で江主席と会談した時、江は小泉首相の靖国参拝についてまた言及し、「この誤った行動について、反省する動きは見られない」と怒った。2003年1月14日、小泉首相が新年の靖国参拝をした。中国と韓国は、激しい怒りの言葉を日本国民に浴びせた。
中国と韓国は、絶対許せない日本から、反省しない罪人から、毎年琚大な「ODA・援助金」を感謝もせず当たり前のような顔をして受け取るが、罪人の汚い金を恵んでもらうのは恥ずかしくないのだろうか。
「言ってること」と「行っていること」の境で躊躇もしないのだろうか。
西鋭夫著『日米魂力戦』
第4章「国の意識」の違い –18