歴史
2017/09/27
西海岸の雄・ワシントン大学
笑えない喜劇
東ヨーロッパからアメリカの西海岸に帰れるのだろうか、なぜ人影がないのかと暗闇をトボトボと歩いていると、日本人ではない東洋人が流暢な日本語で話しかけてきた。
「どちらまで行かれるのですか」
「ワシントン大学です」(はっきりと言わないように努力した)
「ここから30分くらいですね」
「ここはどこですか」(内心、小躍り)
「オレゴン州のポートランド市です」(世界の大河コロンビア河の河口に林業と鮭漁で発展したオレゴン州最大の街)
「そうですか」
赤恥を隠すため笑いを作りながら飛行機に戻ると、スチュワーデスたちは笑みを浮かべ出迎えてくれた。「この学生さん、大丈夫かしら」と思っていたに違いない。
平和部隊のヒロ教室で語学力が少し上達し、日常会話の聞き取りが少しできるよぅになったため発生した、笑えない喜劇である。ポートランドの「ト」が聞き取れなかったので、ポーランドに着陸したと錯覚したのだ。
西海岸の4大大学
米・西海岸で4大学の1校であるワシントン大学(州立)は「大学院大学」といわれ、学生総数は当時3万5000人。1万人が院生。
他の3校は、カリフォルニア大学バークレイ校(州立、サンフランシスコ湾の東側・超難関)、サンフランシスコの南、車で40分の大きな森の中にあるスタンフォード大学(私立、シリコン・バレーの総本山、超難関)、ずっと南へ下ってハリウッドの隣にあるカリフォルニア大学ロサンジェルス校(州立、超難関)だ。
他にも有名校が数多くあるが、この4校が大きな総合大学として良く知られている。
西鋭夫著『日米魂力戦』
第1章「遊学1964年」-14