歴史 2018/11/22

核武装の時代


米大使館占領事件

イラクの次は、北朝鮮。

北朝鮮の次は、イラン。

イランの首都テヘランでイスラム原理教徒の革命軍が米大使館を占領し、52人を人質に取り、444日間拷問した。イランは米国民の強い恨みを買い、米国の「正義の報復」が終わっていない国である。イランは核保有国であり、北朝鮮から購入した弾道ミサイル数百発を持っている。

米国大使館前で星条旗を逆さに掲げるイラン人学生たち


米政府は敵国が持っているかもしれない「大量破壊兵器」を口実に戦争をしているが、世界史上で初めて核兵器(原子爆弾)を使ったのはアメリカであるという歴史的な事実を忘れているかのようだ。もちろん、忘れているのではない。口に出せないのである。


ヒロシマ・ナガサキ

歴代の大統領は、「ヒロシマ・ナガサキ」は「戦争を早く終わらせるために使用した」「米将兵の戦死を避けるために使わねばならなかった」「原爆で戦争に勝った」と説明してきた。私もアメリカでこの説明を何度も聞いた。聞かされた。

同じ理由で、追いつめられたと思い込んだ北朝鮮が核テポドンを「自衛」の先制攻撃として撃つかもしれない。イランも、インドも、パキスタンも、イスラエルも、使うかもしれない。

米国内のマスコミで頻繁に行われている大量破壊兵器についての討論で、「ヒロシマ・ナガサキ」はまず出てこない。これは、アメリカの盲点。強さ・力だけを信じている巨大帝国アメリカは一度躓くと、岩が坂道を転がり落ちるかのように止まることができない。アメリカは「ベトナム戦争」から何を教訓として学び取ったのか。


西鋭夫著『日米魂力戦』

第5章 戦争と平成日本 –39



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