歴史 2019/05/10

蔵書の愉しみ



From: 岡崎 匡史
研究室より

学生の頃、渡部昇一の『知的生活の方法』をよく読んだ。

この本のなかで、自分のライブラリー(図書館)を構築することの重要性が指摘されていた。

研究には膨大な文献や資料が欠かせないし、蔵書が蓄えられていくと、ライブラリーに相応しい書籍を求めたくなるものだ。

本とアイデア


本に囲まれて背表紙(本のタイトル)を見ているだけでも、何らかのアイデアが浮かぶこともある。

研究に必要な文献を常に手元に置いておくことで、すぐに参照することもできる。また、将来この分野を調べてみようという興味があれば、関連書籍も購入しておく。

もちろん、自分の懐具合と相談しなくてはならないが、真に必要な本は「借りる」より「買う」べきであろう。身金を切って購入した本は、自分の血肉になるようしっかり読むはずだ。

機会があれば、古本の街「神保町」を散策してみよう。本との偶然の出会いは「恋愛」のようなもの。一度逃してしまうと、二度と振り返ってもらえない。後で買えばよいよと思っていたら、数日のうちに目利きに奪われてしまう。

本とデジタル

本を整理をするのは頭痛の種。せっかく集めた文献も整理しておかないと、必要なときに「あれ、どこに置いたのかな?」と、自分の部屋を引っかきまわさなければならない。

日本の狭い住宅事情では、物理的に本の収納に限界があり、解決策というのは見つからない。なるべく本の背表紙が見えるように配置するしかないだろう。

本は、予想以上に重い。部屋の床が抜けないか不安がつのる。紙の本だと重く、スペースもとってしまうので、デジタル化された本を購入してみた。

しかし、私の場合、デジタル化された書籍を読んでも、どうも頭に入ってこない。記憶の定着があいまいで、便利なようでいて不便さを感じる。

文献との格闘は悩みの種。
解決策は未だ見つかりそうもない。


ー岡崎 匡史

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